HAKU-OMOTE ―裕人礫翔展
2014年10月1日(水)- 16日(木)
日曜・祝日休業
会場: 1) nada art gallery
東京都中央区銀座7-12-5 銀星ビル5F
Tel:03-6264-1752 Fax: 03-6264-1753
URL:nadaartgallery.com
2) ART FOR THOUGHT
東京都中央区銀座8-10-4 和孝銀座8丁目ビル1F
Tel/Fax:03-6228-5922
URL:http://artforthought.jp
時間:
1) nada art gallery 11:00-19:00
2) ART FOR THOUGHT 11:00-24:00
オープニングパーティー: 2014年10月4日 (土) 18:00-20:00
10月1日より「HAKU-OMOTE 裕人礫翔展」。東京での初個展に際し、その世界観をより多くの方に楽しんで頂きたくnada art gallery + ART FOR THOUGHT(ギャラリーカフェ)での同時開催を行います。両ギャラリーとも徒歩圏内でございますので、お誘い合わせの上、是非来廊下さい。また10月4日(土)には18:00よりオープニングパーティをArt for thought にて開催いたします。プレイベント「礫翔帯展」では3日間という短い期間にも関わらず多くの方に来場いただき、盛況に終わる事ができました。10月の「HAKU-OMOTE 裕人礫翔展」も是非、宜しくお願い致します。
裕人礫翔(ひろと らくしょう): 1962年京都・西陣に生まれ。父から受け継いだ柄絵箔の技を西陣織だけではなく、洋装や室内装飾、食器などの工芸品にも施し、日本のみならず世界各国に箔の魅力を伝える活動をしています。さらに、国内外の博物館に収められた文化財の複製制作、元の所蔵寺院への寄贈や一般公開を行う、キャノンの綴プロジェクト(文化財未来継承プロジェクト)に参加。建仁寺に奉納された「風神雷神図屏風」の高精細複製に、独自に発展させた箔技術を駆使し、幾代を乗り越えてきた風合いを再現させた箔を施しました。南禅寺、妙心寺、相国寺、隨心院、二条城、名古屋城などの障壁画の複製にも貢献しています。このような、箔工芸士としての多岐に渡る活動の中で、箔の輝きに宇宙的な無限の広がりを見出した礫翔は、箔が装飾にとどまらない、箔そのものの表情である「箔面」を見せる作品を創作し始めました。本展覧会では伝統工芸士であり創作活動家としての礫翔の作品を展示します。この機会にぜひご高覧ください。
裕人礫翔HP: http://www.hiroto-rakusho.com/
これまで、箔は「引き立て」の意匠であった。着物や帯を織り成す金糸は生地に輝きをもたらし、屏風や襖の下地や縁取りの金雲霧は絵図を引き立てる。そんな工芸界の名脇役である箔を、礫翔は主役として表舞台に引き出す。本展覧会のテーマ「HAKU-OMOTE」は、その意思表明である。箔を下地から絵図へ、舞台裏から表舞台へと引き出し、箔の質感や表情、つまり箔面(はくおもて)を存分に堪能しようではないかという宣言なのだ。
『陰翳礼讃』の著者、谷崎潤一郎は、薄暗い室内に立つ金屏風を地平に沈む太陽が残す最後の照光に例え、その沈痛な美しさを讃えた。鏡が古来より太陽や月を象徴してきたように、天体の光を映しこむ金属は神性を宿すと信じられてきた。やはり礫翔もまた箔を天体に見立てる。光に透け、吹けば舞い上がり、紙や布に定着させなければ崩れ散る程の脆弱な存在でありながら、見る者を神的な無限の広がりの中に引き込む煌めきをもつ。箔を深く極めてきた礫翔だからこそ表出させることができる箔の魅力がそこにある。